特定調停を行った際に過払い金返還請求はできるの?

特定調停を行った際に過払い金返還請求はできるのか?

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2016.12.09

過払い金とは?

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過払金とは、債権者に対して払いすぎたお金のことです。

相手方は払いすぎたお金を得る法律上の正当な利益を有していないことになるため、不当利得返還請求をすることができます。
かつては、グレーゾーン金利での貸し付けがなされていましたが、判例がこれを否定した結果、法定の上限金利以上の貸付は無効だということになりました。

このグレーゾーン金利の条件で返済をしていた場合、法定上限金利分の利息は有効となりますが、それ以上の部分は無効となります。
そして、無効な部分は元本に充当して計算をし直す必要が生じます。
その結果、長くこの条件の下で返済をしていた方の中には、債務が大幅に減少したり、ゼロになったうえに過払い金としてまとまったお金が帰ってきたりすることとなります。

過払い金の返還は、自分でも行うことができますが、交渉をスムーズにするため弁護士に、債務整理や任意整理をしてもらう一環として行うのが一般的です。

特定調停の目的

特定調停の目的

特定調停の目的は、個人の債務の調整を行うことです。
つまり、特定調停でできることは調整後の新たな返済計画を決定することか、債務が存在しないことを確認することだけとなります。

ということは、仮に過払金が発生していても、特定調停で過払金の返還請求を行うことはできないということです。
『過払いになっている(払い過ぎている)=債務は存在しない』という確認をするだけとなります。

過払い金があった場合

過払い金があった場合

では、特定調停を行って、過払い金があることが分かった場合、どうすれば良いのでしょう。

特定調停の過程において、債権者が開示した取引履歴を元に引き直し計算をすれば、過払金の有無はハッキリします。
過払い金があった場合、『特定調停後に過払い金返還請求をすることができるのか?』ということが焦点になってきますね。

問題は、特定調停後に過払金の返還請求ができるかどうかということになります。
その点について、特定調停における和解(或いは17条決定)で、どのような内容が定められているのかによって結論が異なります。

片面的な調停条項

片面的な調停条項

調停条項や17条決定で、『貸付金債務は存在しない』という内容の調停条項が記載されているだけの場合。
この内容では、過払い金返還請求権について触れられている箇所が一切ありません。
『借金はない』と、ただそれだけが明らかになっている条項です。

これを、債務者の債務についてのみ定められており、貸付業者側の過払い金返還債務についての定めはないため、『片面的条項』という言い方をすることがあります。

この場合、貸付業者側の過払い金返還債務(債務者側にとっての過払い金返還請求権)には一切効力が生じないため、調停条項等が過払い金返還請求の規制となることはありません。
上記のような片面的条項のみの場合は、特定調停とは別に、交渉や訴訟などで過払い金返還請求を行うことができます。

双方的な調停条項

双方的な調停条項

問題は、双方的な条項が調停調書や17条決定で定められている場合です。
具体的には、『申立人と相手方の間には何らの債権債務関係がない』という内容の文言が記載されている場合です。

現在の特定調停ではあらかじめ貸付業者側に取引履歴を開示させ、必ず引き直し計算を行います。
ですから、引き直し計算で過払い金の発生が認められたにも関わらず、上記のような文言が記載されているということはないのです。

しかし以前、まだ過払い金返還請求が今ほど知られていなかった頃は、調停委員等が引き直し計算をしないで貸付業者主張の約定残高で調停を成立させてしまう、或いは17条決定を出してしまうということが『ないこと』ではありませんでした。

双方的な清算条項の場合、片面的条項とは違って、債務者側だけではなく貸付業者側にも『債務』がないと定められています。
それはつまり、『貸付業者にも過払い金返還債務はない』という内容になっているのです。
そのため、『申立人と相手方の間には何らの債権債務関係がない』という内容の文言の清算条項がある場合は片面的条項の場合と異なり、特定調停後の過払い金返還請求はできないということになります。

この場合の特定調停後の過払い金返還請求の可否は、未だ最高裁判所の判例がありません。
下級審では認める裁判例も存在しますが、真逆の否定する裁判例もあります。
この判例に関しては、まだ定まっていないと言えるでしょう。

ただし、このような場合でも特定調停後の過払い金返還請求を『認める』という裁判例の方が多く、『過払い金があるのに無いかのような調停をしたことは、強行法規である利息制限法に違反しているため無効である』としているものや、『過払い金が発生していることを知らずに合意、或いは決定に異議を出さなかった錯誤あるため無効である』という形のものが多いようです。

特定調停をする場合、調停条項に『債権債務は存在しない』などの文言がないかを確認した方が良いでしょう。


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